ハチミツとクローバー@梅田ガーデンシネマ

 なんちゅうか、原作からのエピソードの取捨選択がなってないんじゃないかと思いました。その結果まず人物描写が薄っぺらくなり、森田さんはただの性格悪い芸術肌、花本センセはただのノー天気な人、理花さんに至ってはAVに出てくる未亡人女教師みたいにしか見えんかったです。うーん、メインの5人が勢ぞろいしてる写真を見たときは「けっこうええ感じやん」と期待したし、俳優さんの演技も悪くなかったとは思うんだけど。
 で、ストーリー自体も、「森田−竹本−はぐ」「山田−真山」という2つのラインを同時に進行させるため、だいぶちぐはぐした印象を受けました。特に「山田−真山」ラインは重傷で、原作を読んでない人にはワケが分からなかったんじゃないかと心配するくらい。真山の「オレを見るな」発言も突拍子なさ過ぎやし、山田をおぶって帰るシーンなんかもムードがなかったしなあ…。
 それでも、5人でドライブ〜温泉旅館の下りはオリジナル要素を混ぜて上手いことやったなーとか思ったし、真山のストーカーっぷりもやりすぎな感アリやけど演出としては面白かったのでは。ただ、カットとカットのつなぎ方がえらい乱暴で、結局ブツ切れな印象しか残らんかったけど。
 結論としては、映画の2時間枠に収めるのがそもそも無謀なんだから、最初からドラマにしとけば…と。あと、最後の最後まで文句言うのは心苦しいけど、猫が中途半端なCGだったのがほんと意味不明でした。