聞こえない声は誰の声

 きのう自転車を漕ぎながら考えていたこと。例えば、ある人が「おお、あそこに見えるあの工場、パイプが複雑に重なり合ってる感じがカッコええっ!」とか、「この街並みはなんかレトロでいいな〜」とかいう印象を持ったとき、そこに多少なりとも傲慢さのようなものが含まれてはいないだろうか。そんなこと言うんやったらココで働いてみぃ、実際に住んでみぃ、というのは極論過ぎる気もするけど、「おーすげー」って感じの皮膚感覚だけで分かった気になるのは思考停止だろうし、何だかいいとこ取りしてるだけみたいだし。
 そう、この「いいとこ取り」というのが僕の最近のキーワードになっていて、どうも僕が(一般的に)世間(とされるもの)において違和感を感じる事象は、ほとんどこいつが原因なのだ。もちろん、悪い面ばかりではなく良い作用を生むこともあるんだろうけど、目先だけを追っているように見えたり、あまりにも根こそぎ取ってっちゃってるようにしか見えないことが多い。観光産業なんてのも、この辺のバランスが難しいんだろうな。
 と、ここまで書いて、「いいとこ取り」を「流行」に置き換えても同じのような気がして、なんや結局「とりあえず流行ってるもんは否定しといたら偉そうに見えるかなー、オレ」っていうレベルの話かいな。もうちょっと考えてから出直してこいや。
 でもなあ、最近何となく「搾取されてるなー」と感じることがよくあって(被害妄想気味ですね)、そうやって考えると、自分も逆のこと誰かにしてる時があるんちゃうかな…と冒頭の話題に戻るのでした。これって加害妄想っていうんでしたっけ…。