KOBE1995

 ライブの時間よりだいぶ早めに神戸に向かって、人と防災未来センター(防災未来館)へ。ここは阪神淡路大震災の記録・記憶を後世に残して、後世に活かしていくための施設で、迫力の再現映像あり、復興へ向かう人々のドキュメントあり、資料的なデータも膨大にあったりして、見学していた一時間ちょっとの間いろいろなことが頭をよぎりました。
 あの地震から10年が経ちましたが、正直なところ僕はキレイな神戸の街しか見ていないんですね。初めてピロウズのライブを観るために神戸チキンジョージへ行ったのが2000年の1月22日で、それまで神戸に遊びに行ったりはしなかったし、ニュースなどで触れられていてもどこか遠くの話だという感覚だったし。あの地震が起きたときは、大阪でもけっこう揺れがあって飛び起きたくらいで、テレビをつければあの惨状がいくらでも目に入ったのに…。
 そんな僕でも、時々(片道一時間くらいかけて)神戸に遊びに行くようになってからは、街のキレイさの中にどこか不自然なものを感じたりもしたし、また今年は震災から10年ということでイベントがいろいろあったりして、そろそろ「あのとき目をそらしたもの」にちゃんと目を向けなきゃな、という思いでここに行ってきたのでした。もちろん、実際に被災した人たちや、ボランティアで現地に向かった人たちと同じ視線に立つなんてことはもう出来ないわけだけど、それでもあの日何が起こったのか、それが今とどう繋がっているのかを知りたかったのです。
 見学を終えたあと、何か明確な答えが出たわけでもないし、むしろ心に残ったもやもやはなかなか溶けることはないだろうけど、それも含めて行ってよかったと思いました。