『純音楽の友』“遠藤賢司 VS 曽我部恵一”弾き語りツアー@十三ファンダンゴ

 降りしきる雨の中、何だかんだで初めての来訪となる十三ファンダンゴへ。こないだ改装工事をしたとかで外壁はキレイなんだけど、中はええ感じに汚く、ちょっと狭い。でも何だか落ち着くなー。構造とかは全然似てないんだけど、何となく下北沢CLUB Queの雰囲気を思い出しました。


 さて、先に登場したのは曽我部恵一。たぶん初見だけど、アカペラで歌いながら出てきて客席を練り歩くオープニングでがっちりハートを掴まれましたねえ。あと、MCでエンケンへの愛、家族への愛、下北沢への愛(参照:http://soundofshimokitazawa.com/)をストレートに語る姿を見てると、なんつーか、しなやかな強さを感じました。
 演奏はというと、曲を知らなくても全く問題なく楽しめて、特に「きみの愛だけがぼくのハートをこわす」「LOVE SICK」といったラブソングがよかったっす。他には「おとなになんかならないで」「かげろう」「吉祥寺」「ハルコROCK」などを演奏(順不同)、最後はエンケンが好きだというサニーデイの曲「ここで逢いましょう」で締め。うわー、これたしかNHK-FMミュージック・スクエア」のエンディング曲だったんだよな…って、調べてみたらもう9年も前の話か…。いやはや、あっという間に過ぎた約1時間のステージでした。


 お次は遠藤賢司がとうとうステージに。CDやライブ映像などでは数年前から体験しつつも、何だかんだでライブ観るのは初めてでしたが、いやーぶっ飛びましたね。音の採り方から作りまで全然違うから(ソカベさんと)比べるのはアレかもしらんけど、ギターの音の次元が違うわ…。MCは、十三が好きだとか、秋公開予定の主演・監督作「不滅の男」の話、来年春に発売予定のアルバムの話などなど。
 本編はというと、「満足できるかな」「外は雨だよ」「夜汽車のブルース」などの有名な曲もばっちり聴けて、ウクレレの弾き語りなんかも一曲挟みつつ、最後はエレキに持ち替えて「ビートルズをぶっとばせ」。グワングワンとエレキギターを弾きながらドラムを叩き狂うわ、アンプを引き倒すわで、初見と思われるお客さんたちも大盛り上がりでした。気がつけば、僕のすぐ横でソカベさんも客に混じって盛り上がってるし。それにしても、この人の演奏って、激しい曲でも穏やかな曲でも、同じくらい緊張を強いられるというか、密度が濃いというか…うーん、言葉にするのは難しいけど、「エンケンのライブでしか感じられない何か」がビシビシ伝わってきました。


 満場のアンコールに答えて、エンケンが再びステージに。ソカベさんも客席から引っぱり上げられ、2人で演奏したのはサニーデイの「若者たち」。エンケンのハーモニカ、ボーカルもいいぞ。「踊ろよベイビー」ではなぜか二人でニャーニャー言いながら楽しそうに演奏していて、2日の神戸、3日の京都も行ったら絶対楽しかったんだろうなー、なんて思ったり。
 ダブルアンコールを求める歓声は鳴り止まなかったんだけど、二人がステージにあがって最後のあいさつをして終了。まあ、この時点で約3時間過ぎてるわけで、じゅーぶん楽しく過ごせたライブでした。今度はそれぞれのワンマン(特にエンケン)も見てみたいなー。とりあえず、映画が大阪に来たら見に行かねば。