ビッグ盆! −ウチらの盆踊り−@新世界フェスティバルゲート

 フェスティバルゲートに居を構えるNPO4団体が中心になって、お祭りやイベントで新世界と日本橋の街を繋げていく…というのが「ビッグ盆!」、という解釈で合ってるのかな。そのメインイベントとして行われたのが、この日の盆踊り。何でも、新世界一帯では40年前から盆踊り大会が消滅していたらしいんだけど、地元の恵美小学校の生徒たちと各団体の詩人、ダンサー、ミュージシャンがワークショップを重ねて「新しい自分たちの盆踊り」を作って踊るというもので、何とも興味をそそられます。
 個人的にも、フェスティバルゲート非公式サイト(http://www3.to/festivalgate)なんてのを作ってる身であって、「新世界アーツパーク未来計画」のシンポジウムにも何度か足を運んだし、常にこの周辺の動向には気を配っていたわけなんですが…こんなにすばらしいイベントを、このフェスティバルゲートで見られるとは正直夢にも思っていませんでした。



(写真・左)ふだんは閉まりっぱなしのシャッターも開放され、ゲームなどの屋台や出張バーなども出店。あの澤野工房まで!
(写真・中)大阪市長も非公式ながら登場してあいさつを。フェスティバルゲートの先行きがなかなか難しくなっていることを考えると、かなり意味のあるスピーチだったのでは。これからも注意深く見守らせてもらいます。
(写真・右)大阪プロレスの面々も試合前ながら登場。やっぱり子どもたちにはかなりの人気です。



(写真・左)通天閣歌謡劇場の歌い手さんも登場、後援会の女性たちもお揃いのハッピで踊る踊る。
(写真・中)ホームレス詩人の橘安純さん(http://ikiteikite.exblog.jp/)も(おそらく飛び入り)で登場。自作の詩が一編一編書き込まれた段ボールを身にまとってのパフォーマンス。
(写真・右)こんなDJパフォーマンスもあったりして。





 で、中座してしまった僕が見た中では一番の白眉だったのが、ウォン・ジクスー+neco眠るの演奏による「新 新世界音頭」でした。恵美小学校5年生たちの書いた詩を上田假奈代さんがまとめあげたという歌詞は、妙ちくりんながらもどこか懐かしみがあって面白く、それをコブシたっぷりに歌っている絵がまたおかしい。小学生たちとダンサーが一緒に考えたという振り付けも、もちろんマジメに踊ってる子もいればそうでない子もいて、それでいい、それがいいんだと強く強く思いました。
 新世界とフェスティバルゲートという、自分の好きなものたちが思わぬ形で交錯するのを見届ける、というのはゾクゾクするような快感、感慨深さをともなうものでしたが、参加している人たちがまとまった共通認識のもとにこのイベントに参加したかというと、必ずしもそうだったとは言えないと思います。でも、それでいいんですよ。野性味あふれる小学生たち、どうやって食ってるのか分からんアーティスト、地元商店のおっさん、ホームレス、通天閣歌謡劇場の歌手の追っかけや、はたまた僕みたいな物見遊山に来てる人、混じりあうことはなくても、「相手がそこにいることを認める」、それさえ出来ていればいいのだ、そんなことを考えて一人で勝手に胸を熱くさせていました。混沌こそがすべてで、僕なんぞが理解できる程度のものなら少しも面白くはないのだ。
 と、なかなかうまく言葉には出来ませんでしたが、来年もこのイベントが参加されることを願いつつ筆をおくことにします。その時は写真ばっか撮ってないで、ちゃんと踊らせてもらいますからね。