文楽四月公演「勧進帳」@国立文楽劇場

 「タダ券あるけど、どう?」という誘いがあったものの日程が合わずに一度は断念、いやしかしこういうのは自分で金払って観に行かねば…と日を改めて一人で行ってきたというのが動機です。が、時間と金の都合もあり、幕見席(好きな演目だけ見られるチケット)で話の大筋を知っている「勧進帳」を選びました。これだと、約1時間のプログラムで1500円だから初心者でも気軽に行けますわな。
 ところで、文楽というのは人形遣い、三味線、太夫の三業で構成されているんだけど、独特の発声と言葉の古さからストーリーが伝わりにくいのもあってか、この会場では舞台上部に字幕が表示されるようになってるんですよね。おかげで分かりやすくはあるんだけど、字幕に目が行きすぎると他に見るべきものがおろそかになってしまう…という欠点もあります。この辺は難しいところ。
 初心者ながらに興味深かったのは、やはり三業の絶妙な絡み、特に太夫と三味線のコンビネーションでしょうか。「勧進帳」は出演者の数が多かったのもあって、かなりの迫力がありました。人形でいうと、最後に弁慶が舞うシーンなんかはダイナミックな動きにすっかり目を奪われましたが、細やかな動きはやはり前方の良い席でこそ堪能できるんでしょうね。
 という感じで、思った以上に楽しめた初めての文楽でした。大阪だと年に4回ほど公演期間があるらしいので、また気になる演目があれば行ってみようかな。