谷口崇@阿波座cafe martha

 思えば、「指でさようなら」「エヴリ・every」あたりのシングル曲がリリースされたのは僕が17才の頃で、それからの活動はいまいち知らなかったものの、機会があればまた行きたかったマーサでライブをやると聞けば足を運ばざるを得ないでしょう。最近の曲は全然知らんけど(というか昔のCDすら持ってない)、僕の音楽辞書に「予習」とかいう文字はないのです。
 まあそんな感じで、どうしても高まってしまう期待と「いや、あまり期待しすぎるな…」という自制とで葛藤していた僕ですが、そーいうのを軽く飛び越えた親近感のあるキャラが登場したのでちょっとびっくり。その拍子抜けした感が尾を引いたのか、弾き語り用にけっこう面白くアレンジされていた「指でさようなら」なんかを聴いてもどうもノリきれなかったんですが…
 ちょっと長めの休憩のあと始まった2部からは、テンポのいい曲が続いたのもあったんだろうけどグイグイ引き寄せられましたねえ。何でも、この店でやることにしたのはリクオさんの紹介だそうで、やっぱり大きい事務所に頼らず地道に音楽続けてる人の地力には感じ入るものがあります。
 アンコールでは、先日の山口洋ソロツアーでも共演シーンが印象的だった酒井ヒロキが登場、3曲ほどセッションで一緒に歌ったりしてたんだけどこれもよかった。こういう風に育まれていく豊かな音楽がもっと世の中に広がっていけばいいのになーと、多少クサいですけどそんな風に思った夜でした。