音の海@神戸ジーベックホール

 「音楽家知的障害者がワークショップを重ねて即興音楽のコンサートを行う」ことについて、面白そうだなーという感覚だけで観に行っていいもんなんだろうか…というような考えが頭の片隅からずっと離れませんでした。もちろん、大友良英さんの日記を読んでいれば力の入りようが伝わってくるし、アリさん、江崎さんといった面々も魅力的だし、以前FBIが行われていたというジーベックホールへの興味…などなど、他にも動機はいろいろあったんだけど。
 でも、会場に足を踏み入れて「あ、これは楽しいことになるな…」と思ったら、余計なことが全部頭から抜けていったのでした。いつもどおり、どんな場所でもズカズカと足を運んで、最低限の礼儀だけ守ってあとは楽しんじゃえばいいんだ。そう思わせてくれる空気が会場全体に溢れていたような気がしました。


 13時半から17時まで、休憩を挟むといいながらその時間もエントランスで演目は行われているし、メインステージと仮設のサブステージで交互に演奏が行われるから音はひっきりなしに出てる状態。それでも、長時間集中して聴ける環境は整っていたし(クッキー、マドレーヌ、美味しゅうございました)、魅力的な人たちや音で満ちていた時間はあっという間に過ぎてしまいました。
 この頃ライブに行っていて思うのは、知り合いでも何でもないくせに「その人に会いに行っている」という感覚や「今まで知らなかった魅力的な人に会える」というドキドキがすごく楽しいんだなってこと。音をちゃんと聴くのはもちろんだけど、音を通してその人の人間性に触れるというか、いや触れられないのはそれはそれでいいんだけど、そういうのが自分の好きなことなんだなと分かってきたような気がするのです。
 印象的なシーンはいくつもあったけど、やっぱり最後のアンコール、「これはもうなんちゅーかまさしく音の海としか言いようがないな…」と思っていたら、終演後にまったく同じような感想を言いあってる人たちがいたこと。うん、こんなすばらしい体験がまた出来たらなーと思います。


 大友良英さんの日記に、このコンサートのことが詳しく書かれているので興味のある人はどうぞ。
http://d.hatena.ne.jp/otomojamjam/