大塚まさじさんのこと

 あれは忘れもしない2002年5月4日、初めて行った春一番コンサートでのこと。出ていたのは知らないアーティストばかりなのに、どの人もどの人も輝いて見えるのが嬉しくて、ビール飲んで一緒に踊ってたおっさんからポテチもらったり、小雨が降って体が濡れてもステージ前から離れられなかったり…そんな日の一番最後に出てきたのがまさじさんでした。そして、そのステージで、チャールズ清水さんのピアノだけで歌われた「エピソード」を聴いて、僕は初めて「音楽を聴いて泣く」という体験をしてしまったのでした。最後に演奏された「プカプカ」であたたかい気持ちになって、雨上がりの冷たく澄んだ空気のなか、野外音楽堂から駅へと向かう暗い夜道を歩いていった時の気持ちは忘れられません。
 正直言って、「昔ディランIIっていう伝説的なバンドが…」とかいう話はあんまり興味がないのです。そりゃあ、知ってる方がより深く理解出来るのかもしれませんが、僕にとって大事なのは「今、大塚まさじが歌っている」ということなので。だから、大阪に戻ってきたのを機に、長田和承、島田和夫、船戸博史と結成した「月夜のカルテット」が今一番見たいバンドです。もちろん、ソロのライブも好きだけど。
●参照リンク
大塚まさじのホームページ『月の舟』
最近できた公式サイト。日記も読めます。
大塚まさじファンサイト
「LIVE」コーナーにフォトレポートが満載。どうでもいい話だけど、2002年の春一番→5月4日ステージの様子、のあるところに僕がチラッと写ってます(ホントどうでもいいな)。
●音源など

きのうの思い出に別れをつげるんだもの

きのうの思い出に別れをつげるんだもの

 さっきディランIIが云々…とか書きながら、入手のしやすさ、値段などから、このCDから入るのが一番いいかもしれません。「プカプカ」「男らしいってわかるかい」「サーカスにはピエロが」と名曲揃いなんだけど、他の曲も素晴らしいので。
昼の月・夜の魚

昼の月・夜の魚

 ベスト盤です。2枚組みで3500円なら安いでしょう。最近ライブでやってる曲はだいたいこれ1枚で予習できます(ライブの予習、ってあまり好かんけど)。
 あと僕が持ってるのは、ディランIIのsecondザ・ディラン II BOX、、THE LIVE Best of MASAJI大塚まさじ西岡恭蔵ハーフムーンにラブコラージュだけかな。ソロの昔のアルバムも欲しいし、月の散歩 (遊雲ブックス)っていう本も読みたいな(絶版らしいけど)


「エピソード」の歌詞をこっそり


彼は頑固だったが真面目だった 
だけど真面目が嫌いだったんだ
こんなエピソードが彼にはある
何度もぐれてはみたがやくざにもなれず
今じゃ胸のナイフだけが彼の証なんだって


彼は笑ってたがデリケートだった 
だけど笑うのが嫌いだったんだ
こんなエピソードが彼にはある
毎日のように鏡に向き合っては
笑わない稽古をしていたんだって


彼は自分のことを嫌いだと言っていた 
だけど本当は大好きだったんだ
こんなエピソードが彼にはある
夜更けの酒場で飲めない酒に酔って
俺には俺しかいないってくだまいていたって


彼は女なんて大嫌いだと言っていた 
だけどいつも一人じゃいられなかったんだ
こんなエピソードが彼にはある
ある日一人の女に初めて恋をした
それから彼は強がりを言わなくなったんだって